鉄道貨物を支える人々に密着 -JR貨物 隅田川駅見学-

 
　当ブログをご覧のみなさん、こんにちは！　突然ですが、皆さんは「隅田川駅」という駅をご存知でしょうか。時刻表アプリでも出てこない隅田川駅、実は地下鉄南千住駅のすぐ裏にあります。JR常磐線の南千住駅から、どこかへ伸びていく線路を目にしたことがある方もいるのではないでしょうか。その伸びた先にあるのが、隅田川駅なのです。

　なぜ時刻表アプリに出てこないかといえば、この隅田川駅、JR貨物の駅だからです！

　JR貨物（日本貨物鉄道株式会社）と言えば、言わずと知れた全国ネットワークで貨物輸送を行う鉄道会社。東京都には2つ、主要な貨物ターミナルがあって、その一つが隅田川駅となっています。この隅田川駅には1日平均3,257トンの貨物を扱う、国内第4位の鉄道貨物ターミナルとなっています。一般の人は利用できない駅ですので普段は目立たない存在ですが、隅田川駅は北海道、東北、北陸との物流の拠点であり、みなさんの暮らしを支える大事な場所だといえそうです。

　今回、この隅田川駅に、なんとインターンシップ・プログラムの一環で、訪問する機会を得ました！　昨年に引き続き、二回目です。めったに入ることのできない貨物駅の内部や、貨物鉄道の仕組みを実地で学べるとあって、この日を待ち望んでいた学生も多かったのではないでしょうか。入り口には、写真のようなポスターも飾っていただき、歓迎ムードが伝わってきます。

　机にはヘルメットと安全ベストもあり、これからの見学に胸が高鳴ります・・・！

　今回ご案内くださったのは、本学OBである隅田川駅長の松本様。到着後、会社説明があり、JR貨物の事業内容と隅田川駅の概要を説明していただきました。私が驚いたのは、ICタグと衛星を使って、集荷から目的地までの一連の行程を管理しているということです。以前は手書きの紙をコンテナに貼り付けていたと記憶していたので、貨物輸送の最新事情に目を見張りました。

　いよいよ見学の時間となり、先ほどのヘルメットと安全ベストを身に着けて出発！　検査や修繕を行う工場にも入り、傷んだ車輪や台枠の修理作業を間近で見ることができたほか、貨車に取り付けられているコンテナの固定器具の点検方法についても教えていただきました。

　学生たちも、いつも以上に真剣な表情・・・　整備にあたる作業員の皆さんが点検・修理するおかげで、日々安全に貨物列車が動いていることを考えると、頭が下がる思いです。学生にも将来の姿を想像するいい機会になったはずです。

　学生がこの日一番喜んだのは、現役から引退しつつあるEF65の見学でした。外観だけでなく、なんと中の撮影もご許可いただきました！　しかも、EF65の屋根にものぼり、実際に使われている集電装置（パンタグラフ）にも触れられるということで、学生も（そして私も）大喜び！

　パンタグラフの質感はもちろん、その軽さにも一同驚いていました。実際の機材に触れられる貴重な時間を、学生たちは満喫していました。

　構内見学後は座談会に移り、松本様のほか、隅田川駅で働く短大OBの皆さんより、学生からの様々な質問に丁寧な回答をいただきました。多くの貨物列車が発着する、隅田川駅で働けることの喜び。日本の物流を、自分たちが支えているという誇り。日々起こり得るトラブルを未然に防止しつつ、万が一発生してしまった際迅速に回復するための工夫。鉄道貨物をとりまく環境。話題が広範に及び、予定時間を過ぎても学生の質問に耳を傾けていただきました。普段気になっていることでも、ウェブや書籍ではなかなか知る機会がないので、今回の座談会で現役社員の皆さんに直接質問をする経験を通して、学び得たものも多かったはずです。

　今回は松本様をはじめ、JR貨物の皆様のご協力なくして実現できませんでした。このような貴重な機会を学生に提供していただき、深く感謝申し上げます。