秋のある日、「鉄道史ゼミ」は日帰りゼミ旅行に行きました。「鉄道史ゼミ」では「関東近県の鉄道史に関連する場所」に毎年見学に行っています。今年度は、沿線に多くの登録有形文化財や近代化遺産がある、東武鉄道鬼怒川線・野岩鉄道・会津鉄道・JR磐越西線をめぐる日帰り旅をしました。

 

 

　最初の列車は、「スペーシアきぬがわ3号」です。バブル期生まれ、車齢30年の名車・100系で、池袋から鬼怒川温泉まで行きました。フットレストやシートの豪華さは、目を見張ります。

　池袋駅ではご高齢のお客さんや大学生風のお客さんが多く観光列車の雰囲気が濃厚でしたが、始発の新宿から乗ったと思われるお客さんの中には、パソコンを開いて仕事をしている人もいました。その人たちは栃木駅で下車しました。この列車は都心から栃木駅エリアへのビジネス輸送も担っているようです。トイレには赤ちゃんのおむつ替えのためのベビーシートが備えられており、時代に合わせて進化し続ける東武さんの姿勢を尊敬しました。

 

 

　下今市駅からの鬼怒川線エリアには、地元産の石材の大谷石を積んで作ったホームや、当時の日本鉄道磐城線阿武隈川橋梁のトラスを転用した「砥川橋梁」などがあり、車窓からの観察で見識を深めました！　スペーシアの終点・鬼怒川温泉駅は、駅前に蒸気機関車の転車台や足湯があり、ワクワクします！

 

 

　鬼怒川温泉からは、「リバティ会津119号」に乗りました。こちらも100系に負けず劣らず快適でした。東武特急の伝統が生きています！　スピードは落ちますが、その分絶景が楽しめます。それは会津田島でローカル列車に乗り換えてからも同じです。会津田島から会津若松まで71分で結ぶ鈍行列車は、阿賀川沿いの集落を丁寧にむすんでいきます。開業時の工事の苦労と鉄道への熱意がしのばれる絶景が続きます。

 

 

　15時25分に会津若松に着くと、ゼミ生の何人かは喜多方ラーメンを食べに行ったようです。旅人が少しでも地域にお金を落とすことで、旅人と地域が支え合う関係が築ければいいなと思いました（私は銭湯につかりました）。

　さぁ、ラストスパートの磐越西線です。16時台の4両編成の磐越西線は途中まで快調に進むものの、あるトラブルで郡山駅着は90分ほど遅れました。池袋には21時ごろに着き、無事に解散しました。

 

 

鉄道と地域のさまざまなかかわりを改めて実感した楽しい旅でした！