東京交通短期大学ブログ | 東京オリンピックパラリンピックまであと1年

東京オリンピック・パラリンピックまで、あと1年

　2020年7月24日の東京五輪開幕まで、あと1年を切りました。1年前となる（2019年）7月24日には、メダルのデザインも発表されました。
　この1年前に合わせて、「東京2020組織委員会」は、交通管理者や道路管理者等とともに、7月24日と26日に大規模な交通規制テストを実施しました。これは、来夏の本番を想定して首都高速道路を中心とした道路交通量の削減を確かめるもので、首都高速道路の入口を閉鎖したり、環状七号線より内側に入る交通量を信号操作で抑制するものでした。くわしくは東京2020組織委員会「東京2020大会時の交通マネジメントと2019年夏の試行（輸送テスト）について」や警視庁「東京2020大会交通対策のテストのお知らせ」をご覧ください。

　さて、本学の建物は川越街道（国道254号線）に面しています。その川越街道の上には首都高速5号池袋線も走っています。本学の近くには都心環状線への上り線に入る「北池袋」ランプがあります。ふだんは川越街道や山手通りから都心部へ向かう車がランプから首都高速道路に入ります。
　交通規制テスト当日の7月26日、時間帯により閉鎖される（首都高速に入れない）と事前に告知された入口の1つである北池袋ランプの様子を見てきました。

ご覧のように、首都高速道路会社の関係車輛とパイロン（カラーコーン）・ロープで区切られ、入口は閉鎖されていました

いつも渋滞情報が流れる電光掲示板は「東京2020大会交通対策試行　入口閉鎖中」と首都高に流入できないことを知らせています

本学校舎8階の窓から首都高速道路の流れを見ると、ふだんより交通量は若干少ないように見受けられました。その分、川越街道の交通量は多かったかも知れません。この位置から川越街道の様子は街路樹の木陰であまり見えません

　7月24日の交通規制テスト初日は報道でも取り上げられ、交通量は7%（速報値）減った一方で、都心部へ向かう一般道の渋滞が延びたことなどを伝えていました。
　国内外からのアスリート・大会関係者、観客などの輸送と通勤などの都市生活交通を両立させる。これは東京オリンピック・パラリンピックの大きな目標の1つでもあります。そのために、東京オリンピック・パラリンピック開催時には交通マネジメントを調整することが重要となります。この交通マネジメントは、交通工学などから入念に計画されたもので、さまざまなシステムがうまく噛みあわないと効果をうまく発揮できません。交通規制を核とする交通システムマネジメント（TSM）だけでなく、交通需要マネジメント（TDM）も必要となります。通勤ラッシュのピークを押し下げようと「スムーズビズ」と銘打って時差通勤を奨励したりテレワークを奨励する企業も多くあります。こういったさまざまTDMの取り組みは、公共交通機関にも影響を及ぼします。

　交通を研究する者の一人として、こういったTSM・TDMをつぶさに観察できる醍醐味は、何ものにも代えがたいものがあります。担当している「交通政策論」などの交通に関係する授業科目において、TSM・TDMの本質を学生に伝えていきたいと思います。

藤井大輔

2019年07月30日