引退前のVSEに乗ってみた！―「交通見学会」in 2023―

 
　みなさん、こんにちは！　毎年10月末に、本学では特色あるイベントの一つとして、「交通見学会」を実施しています。今年は10月31日に行われました。
　まず、学生たちが集合したのは新宿駅。言わずと知れた、日本を代表する大ターミナル駅です。

ここから小田急電鉄のホームに向かいました。ある列車を待っていました。その列車とは・・・

　小田急のVSE（50000形）です！　昨年3月11日に定期運行を終了した、白いボディーのロマンスカーです！　今年12月には完全に引退する予定で、多くの人にとってもはやひと目見ることすら叶わない車両。それに乗車できるというのですから、多くの学生にとって貴重な機会となること間違いなしでした。

　当日はこのVSEで秦野駅まで向かったあと、新百合ヶ丘車庫や唐木田車庫に入線することになっており、普段は入ることのできない車庫と留置されている車両を間近に見学できるプログラムを組んでいました。本学では在学生の大半が鉄道業に就職を希望しており、就職後の自分をイメージするうえでも貴重な機会になったはずです。

　いざ、乗車！

　11:40に新宿駅を出発。ロマンスカーらしい滑らかな発車に加え、VSEの特徴ともいえる連接台車特有のジョイント音も聞こえます。車両1両あたりの長さも短くなっている分、急カーブの曲がり方も滑らかでした。

さて、今回の交通見学会のハイライトは・・・

　展望席です！　普段は全面の窓に向かって席が配置されていますが、このように向かい合うように配置することも可能とのこと。私も初めて見ました。

　ということで、ここでゼミごとに記念撮影！

　皆さんいい笑顔です！　この後展望席は学生に開放され、迫力ある前面展望を見ながら学生たちが談笑していました。
　もちろん、他の学生もこの通り。

　引退前の車両とあって、用意していたカメラやマイクをもって車内設備や放送を隈なく記録していきます！

　さて、今回の交通見学会では3つ、スペシャル企画がありました。まずは本学で「世界の鉄道研究」の講義を担当されている、櫻井寛先生による講話です。

　櫻井先生はVSEに連なる、小田急電鉄のロマンスカー開発の歴史についてお話されました。初代ロマンスカーであるSE（3000形）が、狭軌としては世界最高時速となる145km/hをたたき出したことや、日本でほぼ唯一の連接台車を採用した特急車両だったという特色も紹介されました。櫻井先生自身も小田急ロマンスカーには何度も乗車したことがあり、思い入れがあったそうです。

　続いて、今回の交通見学会の案内役でもある、小田急の社員さんとの交流会。なんと、短大の卒業生でもあります！　なので、交通見学会はいながらにしてOBと直に接することができるのです！　

　この交流会では、事前に受け付けた学生からの質問に、卒業生が答えていくものでした。なぜ小田急を選んだか、どのようにすれば運転士になれるのか、日々の仕事で大変だったことや嬉しかったことは何かなど、学生からの素朴で率直な質問に丁寧に答えていただきました。

　そして、車庫見学！　今回は新百合ヶ丘車庫と唐木田車庫に入線し、列車から見学する形をとりました（車庫の景色はこちらから→ https://youtu.be/2mQMHonbUl4）。営業中なので降りての見学はできなかったものの、学生は大喜び！　入る機会がなかなか車庫を列車に乗って見られるということで、みな興奮しておりました。卒業後は鉄道会社へ就職を希望している学生ばかりなので、車庫の様子や留置されている車両をみながら、将来自分が働いている姿をイメージするのに、絶好の機会だったと思います。

　楽しい時間はあっというまにすぎ、15:30には皆を乗せたVSEは新宿駅に戻りました。降車したあとも名残惜しそうに、学生たちはVSEをながめていました。

　ある地方出身の学生に話をきくと、VSEは動画サイトや雑誌などで紹介されているが、実際に見るのも乗るのも今回が初めてで、引退する前に乗車体験ができて本当に貴重な機会だったと言っていました。
5時間程度のVSE乗車は、学生一人一人に思い出深いものとなったことでしょう。

　この機会を提供いただいた小田急電鉄の皆様に、深く感謝申し上げます。