「学外活動」で王子神社のお祭りと東大博物館へ！

「歴史学A/B」の授業では、しばしば「学外活動」に出かけます。「学外活動」とは、授業に関連する博物館や歴史的行事などの見学のことです。

12月6日には、王子神社の「熊手市」に行きました。商売繁盛の縁起物の熊手は、個人経営のお店や事務所でよく見られます。駅の改札でも見かけたことがあります。

その熊手が、3つの露店で売られていました。それぞれ雰囲気が違っていて面白かったです。お客さんは荷物が小さかったり小さい子連れだったりして地元在住っぽい人ばかりでした。学生はたこ焼きやベビーカステラを食べたりおもちゃを買ったりもして雰囲気を楽しんでいました！　
駅まで戻ると神社で見かけた3人の外国人観光客とすれ違ったのでどこから来たのか英語で聞いてみましたが、答えてもらえませんでした。怪しい勧誘と間違われたのかもしれません（笑）。

短大のある池袋から王子まで行くには、鉄道だと山手線でいったん東の田端に回ってから京浜東北線で北上することになります（黄色実線の「徒歩・鉄道ルート」）。しかしそのルートをショートカットするちょうどいい都バス「草64　浅草雷門行き」があったので池袋駅からはそれで行きました（青破線の「バス乗り継ぎルート」…バス研究部の学生が教えてくれました。ありがとう！）。私は帰りは定期券ルートの副都心線まで、やはりショートカットする都電に乗りました。ルートを考えるのも旅の楽しみのひとつですね！

12月11日には、東京大学総合研究博物館に「骨が語る人の「生と死」　日本列島一万年の記録より」という特別展示を見に行きました。集合場所は本郷三丁目交差点の交番前です。この交差点には、「かねやす」という看板があります。江戸時代には、「本郷も　かねやすまでは　江戸のうち」と歌われました。「かねやす」とは歯磨き粉のヒット商品を生み出した歯科医の名前に由来しています。江戸中心部から近いこのあたりからもう農村風景になりはじめていたのですね～。

博物館の最寄りの門に、この土地が「旧前田侯爵邸」であったことを示す銘板がありました。東大、江戸時代には、北陸新幹線の延伸工事で話題の前田藩邸だったんですね～。特別展示では個別の展示物についてその場で少し、博物館を出てからもう少し解説しました。縄文時代には大きかった頭蓋骨が、江戸時代には小さくなったようです。柔らかい食べ物が増えて、食べ物をかむ回数が減ったからだそうです（ということは、小顔化はもっと進むのでしょうか？？）。ほかにも縄文時代の「抜歯」の習慣を裏付ける史資料や各時代の埋葬の展示が興味深かったです。時代ごとにスタイルは違えど、人が力強く生き、そして死んできた様子が実物で実感できました。

武蔵野台地の東端に位置する江戸・東京は、起伏に富んだ地形をしています。本郷三丁目の隣の後楽園駅は、前後に勾配がないにもかかわらず線路はいきなり地上に出てきます。やはりいきなり地上に出る渋谷など、都心には「谷」・「橋」・「山」・「坂」などがつく駅名が多いですよね！　こうした土地の記憶をとどめる駅名やバス停名を、歴史とのつながりのない安易な名前に変えずに大切に受け継いでいきたいものです。

参考文献
陣内秀信　1985『東京の空間人類学』筑摩書房