東京交通短期大学ブログ | 首都圏の短編成列車をめぐる2 多摩迷走編

首都圏の短編成列車をめぐる2：多摩迷走編

長い編成の列車がほとんどの首都圏であえて短編成列車をめぐる小さな旅、三軒茶屋駅から出発します！

三軒茶屋駅ホーム

東急世田谷線は、三軒茶屋駅と下高井戸駅を結ぶ軌道路線・路面電車（2両固定編成）です。車高が低いので、席に座って窓の外を眺めていると、歩いている時と目線の高さがあまり変わらず新鮮です！

三軒茶屋駅先頭部…両開きの分岐器が、低速での走行が主体であることをうかがわせます

下高井戸駅で京王線に乗り換え、府中競馬正門前駅へ。東府中駅～府中競馬正門前駅間の競馬場線は、通常は2両編成です。しかし府中競馬場でレース開催がない日とはいえ休日に行ったので、8両でした。かなり空いていました。

府中競馬正門前駅…2両先頭位置に、ワンマン運転時用のミラーがあります

紙の切符前提の注意書き…この注意書きの意味を理解できない世代が現れるのでしょう

府中競馬正門前駅から京王線武蔵野台駅まで戻り、西武多摩川線の白糸台駅まで数分歩きます。

西武多摩川線白糸台駅…減る一方の構内踏切が現役です！

西武多摩川線には、白糸台駅から2駅先の是政駅まで乗りました。サイクルトレイン制度を利用している人もいました。駅から数百m以上の場所への買い物や通学・通勤・通院に便利そうですね～。

西武多摩川線是政駅…ここも足腰にやさしい段差なし！

是政駅を出て広い河川敷を歩くと、かつて多摩川の砂利をいくつもの路線が都心に運搬して関東大震災の復興工事に活用していたことが思い起こされます。こうした歴史や人の生き様と鉄道の関わりについては、専門科目「鉄道史」・「交通文化論」で学ぶことができます！

後日、東急こどもの国線と京王動物園線を訪ねました。こどもの国線は牛がデザインされた「うしでんしゃ」でした。これはこどもの国の中の牧場にちなんでいるのでしょう。

長津田駅で発車を待つ「うしでんしゃ」

1面1線のこどもの国線の長津田駅は、不思議な構造です。田園都市線のホームとの間には改札がありますが、駅ビルや道路との間には改札がありません！　降車駅の改札でうまく精算できるのでしょう。情報系の専門科目「情報科学概論」では、こうした鉄道とITに関する話題がたくさん出ますのでお楽しみに！

その後、かつて宿場街として栄えた小野路宿などの雰囲気のある山間の道を進み、鶴川や多摩センターを経由して多摩動物公園駅に着きました。本来なら、本学OB運転士が多数いる神奈川中央交通の鶴32系統（鶴川駅～多摩センター駅）に乗りたかったのですが、自家用車移動をしました。

多摩動物公園駅改札口方面

多摩動物公園駅高幡不動方面…山も住宅もある風景

多摩動物公園駅は、1面2線です。この日の車両は4両編成でしたが、ホームは長編成列車にも対応しています。動物園や京王れーるランドとの間にはまたも段差がなく、子連れも楽です！

短編成路線にいくつか乗ってきた気づいたことは、段差なしの駅が多いこと、構内踏切など古い施設が残っていることが多いこと、終点にある観光地（川崎大師・こどもの国など）や工場（京急大師線・JR鶴見線）への輸送に特化している場合が多いこと（世田谷線だけは違い、一番「普通」です）、などです。より理解を深めるべく、さらに他の短編成路線にも乗りに行きます！

執筆者：本学教授　濱雄亮

2023年09月10日